
風や水といった自然エネルギーで動く彫刻で世界的に知られる新宮晋さんの展覧会がイタリア、ミラノで2026年6月17日から10月14日まで開催されています。

まず一言で言えば、本当に素晴らしい展覧会です。会場前の広場で出迎えてくれる「ウインドキャラバン」をはじめとする作品群に導かれて建物のなかへ入ると、そこにはまさに新宮晋さんの宇宙がひろがっています。統一されたコンセプトで展示される作品を眺め、その空間に身を置いていると、自分の思考がさまざまな方向へ漂い出すのを感じます。
誕生以来無限の彼方へと広がる宇宙空間。一方で、個としての自分のなかの宇宙。それは絶対的な孤独でもあり、だからこそ他の宇宙と繋がる至福感を求めるのか。サンダリーノはそういうものの象徴なのだろうか‥など。
とにかくマクロにもミクロにも自分の精神を拡張してくれるような貴重な時間となりました。

6月16日のプレオープン、17日のオープニングとして、子供の頃から大好きだった新宮晋さんの絵本「いちご」に寄せて作曲した「いちご組曲」をMIKIKOとともに演奏させていただきました。ミラノの子供たちとの交流もあり、僕たちにとって忘れることのできない経験となりました。





今回再び10月3日-4日の2日間、「SANDALINO E I SOUI AMICI」というミュージカル作品の上演に参加させていただきました。新宮晋さんが脚本演出をされ、僕が作曲させていただいた作品です。小中公平さん率いる三田少年少女合唱団、ミラノ在住の菊池しのぶさんが集めてくださったミラノの子供たちの合唱団も参加して、短時間で作り上げるという壮大で挑戦的なプロジェクトでした。新宮晋さんとその作品に魅せられたたくさんの人々が世界中から集まり、ひとつの舞台の成功へ向けて協力していく様子はまるで奇跡のようです。
表現芸術の宿命として決して完成形は存在しませんし、新宮晋さんが描く理想からはまだまだ程遠いはずですが、僕たちにできる最良のものに向かって全身全霊で取り組めた時間でした。
新宮保子さんの存在を常に強く感じましたし、そのことが僕にとっては困難な局面でも背中を押してくれる大きな力となりました。
保子さんに喜んでもらえたならと心から願います。

とても大切な得難い経験をさせていただきました。
ありがとうございました。
